白糸の滝
田子の浦にうち出でてみれば白妙の富士の高嶺に雪は降りつつ 富士登山往復マラニック
参加を殆ど諦めていたマラニック。七月になってから半強制的にゲロガエルに促され練習再開。
3週連続で「立山」を走る。7/24医師から条件付きで許可受ける。
田子の浦に到着。富士山を探すが、まったく見えない。
スタート地点に移動中、雲が切れはじめ、富士が姿を現した。
横綱のように、でんと構え、「さぁ、かかってこい!」と言っているようだ。
24時間の夜通しラン、空気の薄い3776mの高所、重いザック背負ってのランなど初体験と、怪我が完治していないことで、頭の中が不安でいっぱいだ。
18:10 スタートの合図で、仲間4人と走りだす。
辿り着けるだろうか富士山頂へ、田子の浦まで戻ってこれるだろうか
当たりが暗くなってきたころから、単独走行。
やはり、鎖骨が気になって右手でザックの振動を押さえて走っている。
ショルダーベルトが鎖骨の当たらないように、スポンジタワシを挟んでみたのだが、ザックが重くて効果ない。
20:08 CP1 浅間大社 お祭りの真っ最中で人でいっぱいだ。どこへいけばいいのか分からないので、前にいたランナーについていく。
本殿のだいぶ手前で、みなお祈りしていたので、自分もそこでお祈りする。「今日も一日、息災に生きられました。」と神様にお礼を伝える。そうすれば、次の日も無事を守ってくださるだろう。
ここで、ゲロガエルに出会う。心強い。
水や食料を調達するするところ決めておいたのだが、焦って18キロぐらいのスーパーで水2リッター おにぎり2個、塩きんつばを購入してしまった。
ザックが重い!肩に食い込む。鎖骨が心配。痛くなったら終わり、プレートが外れたか又折れたかだ。
集団で、歩いている。誰も走りださない。
「歩いていて、大丈夫なんですか?」と周りの人に尋ねる。
「大丈夫。と誰かが言っていたよ」と返事があったが
「?????」
ゲロガエル、またもコンビニに行く。
しばらく待ったが、遅いので先に行く。
集団も最後の販売機と思われるところで皆、止まった。
ひとりで先に行く。すぐ集団に吸収されるだろう。
オオクワガタ販売所あたりから真っ暗な森林地帯に入る。看板には5合目まで25キロと表示。
前後に明かりが全く見えず、俺一人。ヘッドライトの明かりを頼りに、ひたすら登る。
不気味だ。森の中に何がいるように感じる。
遠く先で点滅している。チェックポイントと思ったら歩道で人が寝ていた。
23:17 CP2 標高1000m
予想に反して涼しい。びっしょりだったウェアは乾きはじめている。
鎖骨のこと完全に忘れている。
後ろの方から声が聞こえた。振り返るとライトが二つ。ちょっと安心する。
軽そうなザックを背負った二人、軽々と走って俺を追い抜いていく。
二人は瞬く間に、消えた。
今度はロードレーサーが追い越して行った。
ようやく、聞き覚えのある声が聞こえ始めた。ゲロガエルだ。
しばらく一緒に歩くが、おいていかれる。
すぐそこに、山小屋の明かりが山頂に向かって点々と見える。でも、五合目までまだ15キロある。
01:11 CP3 料金所跡
立山マラニックに出たという女性と一緒に登る。
北アルプスも何回か経験してるというので、五合目からの登山道の様子を聞く。
「遊歩道みたいなもんよ」
女性に付いていけない。斜度が緩くなると近づくが、コーナーの急な所では離される。
失速したゲロガエルに追いつく。
彼のヘッドライトが暗くなっていた。
電池の消耗と脚力とが正比例し「跳べないカエル」になっていた。
03:01 CP4 標高2000m
完走できる予定時間より大分遅れてる。
五合目まで、あと4キロ 足は動かない。
俺は、完走あきらめ、富士登頂を目指すことにする。ゲロガエルに先に行ってくれと告げる。
ご来光も拝めそうにない。東の空が明るくなってきた。
04:00 CP5 新五合目
寒い。隣に女性がいるが構わず、ランパン脱ぎタイツを履く。長袖シャツ、カッパを着る。
ここでこんなに寒いのなら、上はもっと寒いはず、着るもの何も持っていないので不安だ。
食欲なく、おにぎり1個無理やり押し込む。
完全に、気分は「富士登山」。景色を楽しみながら登る。
だが、そんな気分でいられたのは、ほんの1時間ほど
黙々と、山頂に続く道を登り続ける。
マラニックに参加している松本親子がずっーと一緒だ。
8合目過ぎてから、空気が薄いせいか、身体が重い。
頭が痛くなる兆候があるので、薬を飲む。
10:03 CP6 富士山頂3,776
やった!日本一の山征服。
城さんに「唇青いよ、小屋に入って休んだ方がいいよ」といわれる。
頭がボっーとして思考力ゼロ。
900円のカップめん食べたあと寝てしまった。
下山は宝氷山まわりで走って下りる予定だったが、走る気にならず、登ってきた道を下る。
お鉢巡りもパス。
下りも辛かった。滑りやすく長い下り。こんなところ、早く下れるわけない。
五合目から田子の浦まで、走って帰る。とんでもない。
誰から、誘われても2度と絶対参加しない。
五合目からバスに乗り新富士宮まで行く。
ゴールの田子の浦まで歩く。
完走して帰る参加者等とすれ違う。
制限時間の6:00が過ぎた。
6:30 ゴール近く スタッフの方々、拍手で迎えてくれる。恥ずかしい。
この後、何人も走って戻ってくるランナーいる。
受付で「DNF」と告げる。
ゴール地点で写真撮りましょうかといわれたが、断った。
翌朝、泊った宿で、声からけれた。
「マラニック走っておられましたね」
「走ってました」
「分かりますか」
顔をよく見る。「あぁ、一緒に登った。」
普段の格好だと分かりにくい。松本さん親子だ。
むこうは、私の白髪頭で分かったようだ。
「最後まで行かれたんですか?」と聞く。
お父さんは料金所跡まで、息子さんはゴール近くでリタイア。
多分、来年も彼らと走っているだろうな????
精進湖
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